桜が舞い散る…そんな季節に俺は貴方に出逢いました…
「最後に1つだけのお願い聞いて」
〜桜〜前編
−次の日−
俺は今日、仕事がオフだっためさんの所へ向かった
「さんっ。…ってまだか。」
俺は、しばらくの間、桜の木の下で眠ってしまった…
「…智和?」
「ん…」
「智和?」
気が付くとさんが隣にいて
さんの体はまたやつれいた…
「さん」
「今日は仕事休みなの?」
「あ、はい…あの、体大丈夫ですか?」
「…うん。けど、今歩くのもやっとなの。」
俺は隣に座っているさんの
体は本当にやつれていて…
さんの体は少しだけ震えていた…
「智和…」
「はい。」
「ちょっと肩かして、ねむい…」
「はい。どうぞ…」
そしてさんは俺の肩に頭を置き眠った…
俺もそしてまた少しだけ眠った
「ん…あ、もう夕方、」
気が付くと外はもう夕方で
「さん、夕方ですよ?」
「……」
「あの…さん?」
「…」
俺は嫌な予感がした…
「さんっ、さん!」
「ん、智和…」
「はぁ。よかった」
「智…和」
「…はい」
「最後に1つだけお願い聞いて」
「えっ?」
さんは俺の肩に頭を置いたまま話し出した…
「私が…私がいなくなっても、私の変わりにこの桜を…見守って…」
「な、なに言ってるんですか?さん。」
「私の…私が、大好きなこの…桜を智和が…見守って。」
「さん?ど…したんですか…」
俺はわかっていた
もうさんがいなくなる事を…
「ゴメンね、智和…」
「な、んでさんが・・・あやまるんですか…」
「智和…」
「ごめんなさい。俺が守るって言ったのに…さん、本当にごめんなさい…」
「…約束」
「え…」
「私のかわりにこの桜を…見守って…」
「…はい…」
「智…和」
「さん…」
さんの声はどんどん小さくなって…
「あり…がと…」
そして…
この桜の花びらのように…さんの命は散った…
「…っ、さん…」
俺はさんを抱きしめ、涙がかれるまで泣いた…
そして俺は毎日、俺とさんの出逢った…
この桜へきている
「さん、ちゃんと見守ってますから…安心してください。」
ザザァ…
流れた風がまるでさんが答えたようで…
「さん、俺…仕事行ってきます…
また明日きますね。」
ザザァ…
また風が…いや、さんが答えてくれた…
そして、もう花は枯れているはずなのに
俺の手のひらに1枚だけ…
花びらが落ちてきた…
「さん…行ってきます。」
ギュッ
俺は手のひらの花びらを握りしめ歩き出した…
「智和…」
一瞬だけさんの声がした…
「空耳か。」
そして俺は再び歩き出した
2人の出逢ったこの桜
今はその美しさはない…
けれど、また来年の春…
俺たちの出逢ったこの桜を…
花びらいっぱいに咲かせてください…
…さん…
〜fin〜